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芝 清之; Klueh, R. L.*; 三輪 幸夫; 井川 直樹; Robertson, J. P.*
Fusion Materials Semiannual Progress Report (DOE/ER-0313/28), p.131 - 135, 2000/06
低放射化マルテンサイト鋼F82H及びF82H鋼TIG溶接材を、米国HFIR炉で、300及び500で5dpaまでスペクトル調整照射した試験片の引張試験結果について報告する。300照射では母材、溶接材ともに照射硬化が著しかったが、500照射では照射硬化は起こらなかった。溶接材の中では、溶接金属部は母材と同程度の照射硬化を起こしたが、熱影響部を含む継手材では照射硬化量は母材や溶接金属部の半分程度であり、熱影響部が照射による変化を受けにくいことがわかった。また、母材について、歪速度を10倍及び1/10倍に変えて引張試験を行った結果、早い歪速度では強度が高く現れる傾向があり、遅い歪み速度では伸びが小さく現れる傾向が見られた。
加藤 章一; 吉田 英一; 青砥 紀身
JNC TN9400 2000-042, 112 Pages, 2000/03
FBR蒸気発生器の伝熱管破損に起因する隣接伝熱管への破損メカニズムのひとつとして、ナトリウム-水反応により急速に伝熱管壁が加熱され破断に至るいわゆる高温ラプチャ現象が考えられる。本研究では、改良9Cr-1Mo鋼に関する高温ラプチャ評価の基礎データとして反映するため、超高温領域における引張及びクリープ試験を実施した。引張試験におけるひずみ速度は10%/min10%/sec、クリープ破断時間は最長277secである。また、試験温度は7001300である。本試験において得られた結果を要約すると、以下のとおりである。(1)改良9Cr-1Mo鋼について、ひずみ速度と引張強度との関係及び数分以内の極端時間のクリープ破断強度に関する評価データを取得した。(2)上記取得データに基づき、Mod.9Cr-1Mo鋼伝熱管の構造健全性評価に必要なクリープ破断式を提案した。(3)改良9Cr-1Mo鋼の超高温域における引張強度及びクリープ強度は、「もんじゅ」伝熱管材料の2・1/4Cr-1Mo鋼よりも高い値を示し、優れた強度特性を有していることがわかった。
高治 一彦; 鈴木 英明*
JNC TN8400 99-041, 76 Pages, 1999/11
緩衝材には、止水性、自己シール性、核種収着性、熱伝導性、化学的緩衝性、オーバーパック支持性、応力緩衝性等が長期にわたり維持されることが期待されている。これらの機能を比較的満足し得る材料として、天然に産する粘土が注目され、中でも圧縮されたベントナイトは、非常に低い透水性による水の動きの抑制、水の浸潤に伴い膨張し圧縮ベントナイト中の間隙や隣接する岩盤中の割れ目への充填、陽イオン核種を収着する陽イオン交換能を有している等の点で優れており、緩衝材として最も有力であると考えられている。サイクル機構では地層処分研究の一環として、人工バリア技術開発および安全評価の基礎データとするために緩衝材の特性に関する研究を進めている。本報告書は、緩衝材としての圧縮ベントナイトの力学特性の把握を目的として、圧裂試験、一軸圧縮試験、一次元圧密試験、圧密非排水三軸試験、圧密非排水三軸クリープ試験についての手順、試験条件、結果および考察について、これまで取得されていなかった物性や、既報を補完するための追加試験等に関してまとめたものである。圧裂試験結果よりケイ砂混合率、乾燥密度と引張強度の関係等、一軸圧縮試験結果より含水比、乾燥密度と一軸圧縮強度、弾性係数の関係等、一次元圧密試験結果より圧密応力と間隙比の関係等、圧密非排水三軸試験結果より有効拘束圧毎の応力経路等、圧密非排水三軸クリープ試験より、載荷応力毎のひずみ速度の経時変化等を把握することができた。
二川 正敏; 菊地 賢司; 武藤 康; 柴田 碧*
J. Eur. Ceram. Soc., 11, p.417 - 424, 1993/00
被引用回数:4 パーセンタイル:43.77(Materials Science, Ceramics)HTRに用いられる構造用黒鉛材の衝撃・疲労強度及び衝撃強度について明らかにしておくことは、耐震設計上重要である。そこで、原子炉構造用黒鉛IG-11及びPGXについて衝撃曲げ強度及び衝撃曲げ疲労試験を実施し、準静的荷重負荷時との比較を行った。また、衝撃エネルギーと発生荷重、応力の関係について検討するために、Hertzの接触理論を考慮した梁モデルによる衝撃応答解析を実施した。主な結論を以下に示す。(1)Hertzの接触理論を考慮した梁モデルは、黒鉛の衝撃応答挙動を良く表わす。(2)歪速度5 1/sまでは、曲げ強度の歪速度依存性は認められなかった。(3)試験片寸法及び黒鉛の種類によらず、衝撃疲労強度は通常の準静的な疲労強度に比し低下する。
塚田 隆; 芝 清之; 中島 甫; 薄井 洸; 近江 正男; 後藤 一郎; 加藤 佳明; 中川 哲也; 川又 一夫; 田山 義伸; et al.
JAERI-M 92-165, 41 Pages, 1992/11
原研及び動燃による共同研究「中性子照射材料の破壊特性評価試験」のうち、高速炉「常陽」で使用済みのラッパー管を供試材として行った、水中応力腐食割れ性評価試験の結果について報告する。原研では平成元年度より炉心構造材料の照射腐食割れ研究を行っており、一方動燃では燃料集合体の照射後水中裸貯蔵に関連して水環境下での照射後ステンレス鋼の応力腐食割れ(SCC)感受性評価が課題となっている。本研究では、照射量810n/cm(=約40dpa)のラッパー管より試験片を製作し、溶存酸素32ppmの純水中で60C、200C、300Cにおいて低歪速度引張試験を実施した。その結果、60Cでは完全な延性破断を確認したが、300Cの水中では破断面の一部に粒界破面が観察された。これらの結果から、高速炉照射したステンレス鋼は、常温においてはSCC感受性を示さないが、高温水中においてはSCC感受性を持つようになると考えられる。
塚田 隆; 芝 清之; G.E.C.Bell*; 中島 甫; 木崎 實; 近江 正男; 須藤 健次; 後藤 一郎
JAERI-M 92-081, 27 Pages, 1992/06
原子炉の炉心で中性子照射を受けたステンレス鋼等の構造材料が、水中において応力腐食割れ(SCC)感受性を持つようになる照射腐食割れ(IASCC)の現象を研究することを目的として、照射材の高温水中腐食割れ試験を無人で長時間連続して行える装置を開発した。本装置により、原子炉照射した試験片を用いて高温高圧水中において低歪速度法(SSRT)試験を行い、そのSCC挙動を調べることができる。本装置は、ホットセル内に設置したSSRT試験装置本体及びそこへ高温高圧水を供給するループ方式の高温高圧水精製循環装置より構成される。本装置の設計にあたっては、高温水中SSRT試験に必要な事項のほか照射材を取り扱うに必要な事項に配慮した。照射材を用いた予備試験として、米国オークリッジ研究所の研究炉(ORR)で、8dpaまでスペクトル調整照射された試験片(SUS316鋼)の照射腐食割れ試験を実施し、IASCCの発生及び装置を十分な信頼性を確認した。
小峰 陲司; 川崎 弘嗣; 青砥 紀身; 吉田 英一; 一宮 正和; 和田 雄作
PNC TN9410 92-089, 61 Pages, 1992/03
Mod.9Cr-1Mo鋼(NT)の許容ひずみ範囲は、平成元年度に材料強度基準等の高度化の中で、2・1/4Cr-1Mo鋼(NT)の値を代用して暫定値として与えてきた。これは、最適疲労破損式を定式化するためのMod.9Cr-1Mo鋼に対する疲労試験データが少なかったことと、2・1/4Cr-1Mo鋼(NT)の値を用いれば保守的に評価できるとの考え方からである。そこでMod.9Cr-1Mo鋼(NT)について、クリープ疲労評価法の高度化の一環として、低サイクル疲労試験ならびに低ひずみ速度疲労試験や高サイクル疲労試験を実施し、本鋼における最適疲労破損式の策定と許容ひずみ範囲lの暫定値を新たに提案した。(1)最適疲労破損式の策定は、温度依存性やひずみ速度依存性を考慮するため、Mod.9Cr-1Mo鋼と類似鋼種である2・1/4Cr-1Mo鋼の疲労特性が有効であると判断し、同鋼の最適疲労破損式をベースに、汎用回帰解析により当てはめ性や温度・速度依存性の記述性等の検討を行った。その結果、高サイクル側に到るまでMod.9Cr-1Mo鋼の疲労特性を適切に評価する最適疲労破損式が得られた。(2)Mod.9Cr-1Mo鋼に対する許容ひずみ範囲A,B,C線図(暫定値)を、新しい最適疲労破損式によって提案した。(3)今回提案する375のMod.9Cr-1Mo鋼の許容ひずみ範囲に対し、従来暫定的に用いられてきた低合金鋼に対する通商産業省告示の設計基準線は非常に控え目で、Mod.9Cr-1Mo鋼の疲労特性はこの基準線を大きく上回っていることがわかった。また、Mod.9Cr-1Mo鋼の設計疲労線図を告示で新たに規定する場合には、現在の低合金鋼に対する許容値よりもかなり高い値(10の6乗サイクルひずみ範囲にして約2倍)に改定できるものと考える。
塚田 隆; 芝 清之; G.E.C.Bell*; 中島 甫
Corrosion 92, p.104-1 - 104-14, 1992/00
原子炉の炉心構造材料は、供用中に放射線(中性子線,線)及び化学環境(高純水)の複合環境効果により照射誘起腐食割れ(IASCC)等の劣化現象を生ずる。この現象は、軽水炉のみならず水冷却型核融合炉の設計においても研究課題とされている。本研究では、米国ORR炉において核融合炉近似条件でスペクトル調整照射を行った316型ステンレス鋼の高温水中応力腐食割れ挙動を低歪速度法により調べたものである。その結果、照射温度60C、200Cの場合には応力腐食割れは発生せず延性破断したが、330C、400Cで照射した試験片(試験温度300C)では粒界+粒内破断割れが観察された。割れ破面率によると照射後の高温水中腐食割れ感受性は、照射温度の高い程大きくなった。本研究の結果を軽水炉材料について行われた同種の試験結果と比較すると、割れ感受性の点で違いが見られ、照射条件の違い等が原因のひとつと考えられる。
小峰 龍司; 平川 康; 古川 智弘; 川島 成一*; 小林 秀明*; 高森 裕二*; 石上 勝男*
PNC TN9450 91-004, 71 Pages, 1991/07
本報告書は、高温構造材料設計 材料強度基準および高温強度特性評価の高強度化に供することを目的に、FBR大型炉用蒸気発生器材料として適用が予定されているMOD,9CR-1MO網について、材料開発室の研究開発計画に基づいた試験で収得した大気中およびナトリウム中低サイクル疲労特性データをまとめたものである。今回報告する試験内容は、1材料:MOD,9CR-1MO網 応力除去焼鈍処理(SR)材1伝熱管相当板F2ヒート(SR)1t1000MM1000MM、2鍛網品F4ヒート(SR)250t1000MM1000MM、3板F6ヒート(SR)25t1000MM100MM1000MM、2試験環境:大気中およびナトリウム中3試験温度:450、500、550、600、650、4ひずみ速度:0.1%/SEC、5ひずみ範囲:0.38%1.86%、6データ点数:83点、なお、材料特性データは、「FBR構造材料データ処理システムSMAT」のデータ様式に従い作成したものである。
丹沢 貞光; 藤城 俊夫; 吉江 伸二*; 岩崎 守弘*
JAERI-M 90-186, 12 Pages, 1990/10
NSRRでは、反応度事故時に燃料が破損した場合に、破損に伴って発生する力を低爆速火薬によって模擬し、カプセルの耐衝撃応答を調べる耐爆実験を実施している。また、解析コードを用いて実験結果の解析を平行して進めているが、カプセル変形時の歪速度が非常に大きいため、通常のミルシートに付加されている静的な引張試験による応力-歪線図を用いたのでは、精度の良い解析を行うことは不可能である。このため、耐爆実験用カプセル製作時に同一材料により試験片を製作し、高速引張試験を実施した。試験の結果、材料の降伏点は歪速度が10~2sの範囲では約20%増加するが、引張強さは降伏点ほど歪速度依存性がないことが明らかになった。
小川 豊; 渡辺 勝利; 石本 清; 大塚 保; 近藤 達男
耐熱金属材料第123委員会研究報告, 19(3), p.311 - 319, 1978/00
JMTRで高温照射したハステロイ-Xの照射後クリープ破断試験を実施した。照射の温度は670~880C、熱中性子照射量は6.610n/cmである。クリープは900C、大気中で行い、応力は1.5~5.0kg/mm、最長時間は12,000hrである。クリープ挙動は、応力2.2kg/mm近傍、破断時間100hr近辺を境にして2つに区分できる。これにより高応力、短時間側では照射による延性と破断寿命の低下が著しい。一方これにより低応力、長時間側では照射による延性および破断寿命の低下が少なく、一見照射脆化はないようにみえる。しかし全相試験の結果、これは試料の前面に発生した多数のクラックによってみかけ上の延性が保たれているためであると結論された。以前に試験した高温引張のデータを含めて破断延性におよぼす歪速度の影響を検討すると、歪速度が10%/hrの附近で延性は極小を示すことが判明した。